本書を手にとっていただいたみなさま、誠にありがとうございます。
25歳から35歳くらいまでの、人を管理する立場の方、たとえば企業の管理職および、そのポジションを目指す、若きビジネスマンの方たちに向けて書きました。願わくは、人材教育の最高峰である、学校をはじめとする教育関係者の方にも読んでいただければ、誠に光栄に思います。会社は現場から変えることができます。そして、その現場をうまくリードし〝業績と人〟をつくるのは、リーダーのミッションです。
私は考えます。日本企業の業績低迷のひとつの要因として、主力となる現場に近い中間管理職の能力低下が挙げられます。ですから本書は、そういった現職の管理職の方々にとっては、厳しく書いているかもしれません。経営のトップが、会社の中枢であり現場での最高責任者でもある管理職に対して甘い企業が、発展して社員が幸せになっている企業など存在しません。
現代社会においては、世界に幅広く認知され、展開されているマネジメント理論がたくさんあります。しかし、残念ながら元トラック運転手の私には、深く理解することはできませんでした。どこか遠い理論のような気がして、私以外にも同様の思いの方が存在するのでは、とも感じました。
昔、佐川で3年間働けば家が建つという都市伝説がありました。実際、私が入社して見たものは、それぞれここで働く理由をもつ、義理人情に厚い男たちの姿でした。また、そこにはさまざまな人間模様が存在し、まさしく個性の集団でもありました。神の領域にも思えた尊敬できる上司もいれば、常識外れの思考をもった上司もたくさん存在しました。私はその2つの存在を融合し、自分流のマネジメントを構築してきました。
本書では幅広く誰にでもご理解していただけるよう、私自身の佐川急便での20年間の記録をわかりやすくまとめました。また、数多くの事例を紹介することで、マネジメントにおいて、日々悩む読者のみなさまが、より多くの共感や気づきを得ていただき、すぐに行動していただけると確信しております。人を権限や命令ではなく、心で動かす、そんな汗と涙の泥臭いマネジメントがあります。

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- はじめに
- 月100万円の給料を狙う
- 最も稼げる職種を目指す
- ダメでも計画を立ててリベンジ
- 欲は最大のモチベーション
- 「思います」ではダメ
- 自己暗示でおおむね達成できる
- 最高の精神状態に仕上げる
- 中途採用には罵声を浴びせる
- 先手必勝!挨拶は自分から
- どこよりも強いプロ根性をもつ
- 新卒は我が子のように優しく
- 履歴書にない真意を聞く
- 自分の評価は他人がする
- 文句があるなら上がってこい
- 責任はすべて上から取る
- 時には身体を張って対応する
- 部下がしたことの責任をもつ
- 自分なりに仕事の工夫を
- 小さな善行を大勢の前で褒める
- 咀嚼して自分の言葉で伝える
- 本気ならケンカだってする
- ややこしいヤツが人を救う
- 部下の目の前で見本を見せる
- 殴りかかってくるヤツほど期待
- 結果99はゼロと同じ評価
- 我流で失敗をさせて屈辱を
- 競合は潰すのでなく引き抜く
- 部下のために辞める覚悟
- どんな状況でも優しく
- なんでも言ってこい!の心構え
- 一人ひとりの顔色を見る
- 問題は早めに取り除いてやる
- 見えないところで必死に調べる
- コミュニケーションはとりにいく
- 抱きしめて時にはハッタリも
- 「わるいけど」と「ありがとう」
- 人は“心”で動く
- 部下のプライベートを知る
- 部下の家族も味方に引き入れる
- 時にはコンパニオンになる
- 家族のように助け合う
- 「2・6・2」の下の「2」
- 世代間のギャップを埋める
- オーダーメイドの行動予定表
- 時には責任者を入れ替える
- 横並びでなく一歩上を目指す
- えこひいきは複数の部下を失う
- 部下のために毅然と立ち向かう
- 信念をもって正しいことを
- 人脈の広さがものをいう
- 借金の問題も一緒に解決する
- 少しの勇気で状況は変えられる
- 部下には部下の人生がある
- 良きライバルと競い合う
- おごりが自分を滅ぼす
- おわりに

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1967年、大阪市生まれ43歳。
平成元年、佐川急便大阪支社入社。セールスドライバーとなる。入社した年に営業所内での最優秀新人賞獲得。当時の営業責任者(課長)から将来を期待されたが、常識外れの厳しい営業ノルマを出す経営責任者(店長)を痛烈に批判。これが原因となり、一転してホーム作業員に降格。初めて会社組織のルールを、身を持って知る。
そして、営業係長時代、組織の売上げ管理やマネジメントを経験、年上で個性の強い先輩達を部下に持ち、日々苦悩する。同時期に、兼任で関西支社の教育担当にも任命され、数多くの研修・教育指導に全力を注いだ。在職中に携わった研修生は1200名以上。
その後、サービス品質向上のため、本社主導にて各営業所に品質管理課を立ち上げ、筆者は品質管理課・課長に任命された。当年、サービス品質優秀コンテストで見事、全国2位(当時334店所中)に押し上げ、全国品質優秀店に認定された。
在職中には、消費税の導入や、政界をも揺るがした東京佐川急便問題、そして阪神大震災での救援物資輸送活動の他に、腹心の部下達のマルチ商法(副業)による大量解雇等の豊富な経験や、自己責任により、昇格と降格を繰り返した貴重な経験が、筆者を人間的に大きく成長させた。
そうして、佐川急便でありがちな、イケイケ精神論の強固なトップダウン手法ではなく、人間の本質や深層心理に焦点を当て、試行錯誤を重ねた、思考的な独自のマネジメントを構築するに至った。
新任管理職当初から、社内には慢性的な人出不足が続くも、社会的地位の低い運送業界には〝いい人材〟は集まるはずもなく、その限られた〝人材という資源〟をいかに優秀で魅力ある人財に育てていくかは管理者の裁量であると筆者は考えていた。
勤続20年を迎えるに当たり、同社を退職。現在は車両台数10台以下の小規模運送会社を中心に、新たに営業職を雇い入れすることなく、現存の運転専門職から、営業の出来るドライバーを育てる、セールスドライバー育成セミナーを行っている。また、特に現場に近い、主任や係長に対しての管理職研修を活発に行い、マネジメントコンサルトとして関西を中心に活躍中。


